動物のインフルエンザ
updated: 18 February,2009インフルエンザウイルスの分類インフルエンザウイルスはNPの抗原性でA、B、C型に分類される。B、C型は ヒトにのみ感染すると考えられていた。しかし、サイエンス(2000年5月12号)でB型インフルエンザウイルスが呼吸器病のゼニガタアザラシから分離されたことが報告された。この株はB/Seal/Netherlands/1/99と命名された。このウイルスのHA1遺伝子配列は1995年アルゼンチンでヒトから分離された株と一致した。
インフルエンザA型ウイルスは、ヒトだけでなく、鳥類(カモを代表とする水禽類、鶏、七面鳥などの家禽、インコ等のペット)、豚、馬などの家畜、ミンク、アザラシ、クジラなどにも感染し、発症させることもある。しかし不思議なことに、 牛などの反芻獣とか、わたしたちに身近なイヌ、ネコなどにはA型インフルエン ザウイルスは感染しない。しかしながら、確認されていないが、2004年のH5N1の大流行中にタイの動物園のウンピョウ、トラ、飼いネコなどネコ科の動物で感染が報告された。これについてはWHOの報告(訳)に詳細が記されている。2004年1月と6月に米国のグレイハウンドに発生した重症の呼吸器病からH3N8が分離され、遺伝子レベルでは馬のH3N8に近かいものであるとの報告が2005年5月にあった。
ウイルスの表面ある突起は棒状のHAと箱型のNA蛋白から構成されている。 HAはウイルスが細胞に吸着するのに必要で、NAはウイルスが細胞から離れ るときに働く蛋白である。A型インフルエンザウイルスはHAの抗原性によって 1-16の亜型(H1-H16)に、NAの抗原性よって1-9の亜型(N1-N9)に分類され る。同じ亜型であっても、ヒトの間で循環しているHAは非常に変異が速い。馬 ではヒトの80%、豚では40%のスピードでしか変異しない。驚くべきことに、 水禽類のインフルエンザのHAはほとんど変異しない。
もう一つ、このウイルスの変異で重要なことは、異なった2種の株のウイルス が同じ細胞あるいは宿主(豚やヒト)に感染すると、核酸が分節しているため reassortant(リアソータント:遺伝子再集合)ウイルスができることである。例えば鳥のHA、ヒトの NAを持つウイルスが生まれる可能性がある。