豚繁殖・呼吸障害症候群(porcine reproductive and respiratory syndrome)
1.原因
アルテリウイルス科、アルテリウイルス属、豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(porcine reproductive and respiratory syndrome virus)。ゲノムは単鎖の+RNA。北米型と欧州型の二つの遺伝子型に分類される。
2.疫学
全ての日齢の豚に感染し、生産ステージより多様な病態を示す。季節に関係なく発生する。鼻汁、唾液、尿、糞便、精液にウイルスが排泄され、主に、接触や交配による水平感染と胎盤を介した垂直感染により伝播する。
3.臨床症状
母豚では、主に妊娠後期の流死産が特徴であり、産子は、正常、虚弱、白子、黒子と様々である。哺乳豚では、虚弱、呼吸困難、開脚姿勢、高い死亡率を示し、離乳・肥育豚では、食欲不振、咳を伴わない呼吸困難、被毛粗剛、増体率の減少、死亡率の上昇がみられる。不顕性感染も多くみられるが、他の様々な呼吸器病原体と混合感染し、病態を悪化させる。
4.病理学的変化
全葉性の間質性肺炎とリンパ節の腫大が認められる。異常産子では、特徴的な病理所見は認められない。
5.病原学的検査
感染豚や異常産胎子の肺、扁桃、血清などを材料とし、豚肺胞マクロファージやMARC-145細胞を用いたウイルス分離、免疫組織化学染色法による抗原検出、RT-PCR法による遺伝子検出が用いられる。
6.抗体検査
ELISA法、間接蛍光抗体(IFA)法、ペルオキシダーゼ抗体(IPMA)法が用いられる。
7.予防・治療
本疾病の対策として、母豚への免疫付与・安定化、オールイン・オールアウト等による感染環の遮断、農場外からのウイルス株の侵入防止といった総合的な飼養衛生管理が求められる。また、病態の軽減を目的として、北米型生ワクチンが用いられている。また、他の呼吸器病原体の対策を講じ、混合感染による病態の悪化を防ぐ。
8.発生情報
(2007年は、アカバネ病・発生月報に変更があり、家畜伝染病のみデータベース化、豚繁殖・呼吸障害症候群・発生情報は下欄を参照のこと。)
豚繁殖・呼吸障害症候群・発生情報(2004年以前、2007年、2008年)
9.参考情報
獣医感染症カラーアトラス第2版(文永堂)、動物の感染症第2版(近代出版)
OIEマニュアル
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| 写真1:PRRS肺炎野外症例 肺胞中隔の肥厚した間質性肺炎 | 写真2:PRRS肺炎野外症例 肺胞マクロファージ内のPRRSウイルス抗原 |
編集:動物衛生研究所・動物疾病対策センター・疫学情報室、文責:ウイルス病研究チーム、吉井雅晃


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