ゴシポール
毒性
ゴシポールは綿実に含まれるポリフェノール色素.その含有量は品種によって大きく異なる.
綿実油を絞った粕にも存在するが,その量は油の絞り方に依存.
ゴシポールには立体異性体 (+)ゴシポールと(-)ゴシポールがあり細胞毒性は(-)の方が強い.
綿実中のゴシポールには遊離型と結合型があり,遊離型に毒性.
毒性の主体は心機能の障害で,肝臓への影響もある.
ゴシポール中毒の詳細なメカニズムは明確ではないが,
ギャップジャンクションでの細胞間コミュニケーションを阻害.
活性酸素の発生.
細胞内カルシウム濃度の上昇.
ミトコンドリア膜の脱分極.
細胞膜のプロトン透過性亢進.
プロテインキナーゼC活性の阻害.
精母細胞のアポトーシス.
反芻家畜では,成獣より幼弱なものの方が感受性が高い.
単胃の動物は全て感受性.
豚の飼料では,遊離ゴシポール濃度は0.01%以下にすべきとされている.
豚および子牛は飼料中のゴシポール濃度が0.02%(200 ppm)を越えると影響.
中毒症状
一見正常な動物の急死
食欲不振,沈鬱,虚弱.
浮腫および頚静脈の膨張.
輸送熱のような呼吸器症状で抗生物質に反応しない.
受精率の低下.
病理所見
腹水,心嚢水および胸水の貯留.
全身性の浮腫.
心は色調が薄く,腫大,線条痕.心筋細胞の壊死.
肝は腫大し,もろく,小葉構造が明確.肝小葉中心性の充血,壊死.
骨格筋の淡色化,第4胃粘膜の浮腫,赤色尿.
診断
綿実あるいは綿実粕を給与していた.
突然死あるいは慢性の呼吸困難.
解剖および病理組織所見.
飼料中のゴシポール濃度の分析.
治療
特異的治療法はない.
綿実給与を止め,大豆を給与する.
なるべくストレスを与えない(ストレスで突然死).
(最終更新:2007.12.25 豚での許容値に関する表現の修正)