イオノフォア抗生物質

(ラサロシド,モネンシン,サリノマイシン,ナラシンなど)

 

毒性

イオノフォアは,細胞のイオンチャンネルを使わずに,細胞内外のプロトン濃度差を解消する.ミトコンドリアでは,膜内外の脱分極によりATP生成が低下するとともに,カチオン濃度維持のためにATPが消費され細胞死に至る.

また,細胞内へのカルシウム流入を促進し,細胞障害をもたらす.

中毒量

イオノフォア抗生物質の中毒量(mg/kg 体重,文献2より)

モネンシン

2 - 3

20 - 80

12

200

サリノマイシン

0.6

n/a

n/a

44.3

ラサロシド

21.5

50 - 150

75 - 350

71.5

中毒症状

動物種にかかわらず,食欲不振,元気消失が共通してみられる.

馬では,多量の発汗,疝痛,協調運動障害,過呼吸,頻脈等がみられる.

鳥類では,下痢,産卵低下等がみられる

血清ASTおよびCK活性は上昇.BUNおよびビリルビン濃度は上昇することもある.

馬が致死量摂取した場合は,血清カルシウムやカリウム濃度が低下する.

病理所見

骨格筋や心筋の退色.心室の拡張,点状出血,心筋の線状壊死.

筋肉細胞の巣状壊死.

馬では心筋の変化が,豚では骨格筋の変化が中心であるが,牛や鶏では,心筋,骨格筋とも病変が現れる.

診断法

イオノフォア抗生物質使用実績

飼料,胃内容,肝臓中イオノフォア抗生物質の分析

文献

  1. Roder, J.D. 2001. in Veterynary Toxicology, pp168-173, Butterworth Heinemann, Boston, USA.
  2. Roder, JD and Stair, EL. 1999. Ionophore toxicosis. Vet. Hum. Toxicol. 41: 178-181.

 

 

(最終更新:2005.8.23)


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農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 安全性研究チーム