尿素
毒性
非蛋白態窒素として用いられる尿素は,ルーメン細菌でアンモニアに分解される.
ルーメンpHが5.0〜6.5では,アンモニア(NH3)はアンモニウムイオン(NH4+)となる.イオン型はルーメンから吸収されにくい.
ルーメン内アンモニウムイオン濃度が高まると,pHが上昇する.
ルーメンpHが8.0〜9.0に上昇すると,アンモニウムイオンはアンモニアになる.
遊離のアンモニアは容易に血液に吸収され,アンモニア中毒となる.
アンモニアはTCAサイクルの酵素活性を阻害し,組織はエネルギー不足となる.
中毒症状
泡沫性流涎,筋肉の振戦,不安,狂騒,歯ぎしり,痙攣,急死
病理所見
ルーメンのアンモニア臭
診断
尿素給与の実績
臨床症状
剖検時のルーメンアンモニア臭
ルーメン液pH(>8)
アンモニアの分析(ルーメン液(>80 mg/dl,血液(> 2mg/dl))
採血した血液(EDTAあるいはヘパリン処理)を室温に放置すると,TCAサイクルなどの代謝により血中アンモニアは経時的に著しく上昇.採血後ただちに除蛋白するか氷冷保存(1〜2時間).すぐに測定できないときは,なるべく早く遠心して血漿を凍結保存.ルーメン細菌によりアンモニアが代謝されるので,ルーメン内容も採取後ただちに凍結保存.
治療
酢酸の投与(食酢を牛で2〜6リットル経口投与).
(最終更新:2005.1.11)