学名:Aristolochia debilis Sieb. et Zucc.
英名:birthwort
ウマノスズクサはウマノスズクサ科の多年生つる草本で,東北地方南部から沖縄まで分布しています.ウマノスズクサは草本ですが,ウマノスズクサ属(Aristolochia)の多くは木本で,熱帯を中心に数多くの種が知られています.特異な花形を鑑賞するためだけではなく,民間薬草としても栽培されています.
ウマノスズクサの根は青木香(せいもっこう)とよばれ,中国では漢方で用いられるようですが,後述のように有毒物質を含むので注意が必要です.
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(東京都,7月)
有毒成分
ウマノスズクサを含めたウマノスズクサ属の植物は,アリストロキア酸(Aristolochic acid)という有毒物質を含んでいます.アリストロキア酸は腎毒性があり,間質性腎炎を誘発することが知られています(1).中国由来の生薬に含まれているアリストロキア酸によって,世界各地で腎障害の発生が報告されており,CHN(Chinese-herb nephropathy)あるいはAAN(Aristlochic acid nephlopathy)と呼ばれています.
また,アリストロキア酸には発がん性があり,IARC(国際がん研究機関)の分類で,アリストロキア酸を含む植物およびアリストロキア酸がグループ1(ヒトに発がん性がある)に分類されています(2).
木香はインド原産の植物(Saussurea lappa)由来の生薬で,日本薬局方にも収載されておりアリストロキア酸を含みませんが,青木香(ウマノスズクサの根)は有毒なアリストロキア酸を含んでいます.中国や台湾から個人使用目的で持ち込まれる伝統薬には,呼称が類似している有毒なものがあるようなので,注意が必要です.
中毒症状
我が国での家畜の中毒事例は報告されrていませんが, 中毒した家畜は最初多尿から尿閉,血尿,出血性の下痢,食欲反芻の消失等の中毒症状を示します(家畜有毒植物学).また,ケニアやタンザニアで薬用に用いられているウマノスズクサ属のA. bracteataのヤギへの給与試験が報告されています(3).この報告では,肺,心,腎の出血性病変,肝の混濁,第4胃や腸の炎症が見られました.
文献