アマ

学名:Linum usitatissimum L.

英名:flax

アマ科の1年草で,カフカスから中東にかけての原産といわれています.漢字では亜麻と書きます.夏に青紫色あるいは白色で直径1.5 cmほどの5弁花が咲きます.茎からは繊維を,種子からは油を採るために栽培されています.アマの繊維は柔らかく光沢があり,吸水性があるとともにこれをすぐ発散させるので,これで織った織物(リネン,リンネル,キャラコ)は夏物の衣類やシーツ,ハンカチなどに利用されています.また,種子から絞った亜麻仁油は,油絵の具,ペイント,印刷用インクなどに利用されています.日本には17世紀後半に中国から渡来したといわれ,当初は薬用の亜麻仁油を採るために用いられていましたが,明治時代には繊維用作物としてアメリカやヨーロッパからの品種を北海道に導入しました.

(茨城県つくば市,左は7月,右は8月) 

有毒成分

アマの種子にはリナマリン(linamarin)という青酸配糖体が含まれています.アマの種子から油を採った粕(アマニ粕)は飼料として利用されていますが,青酸配糖体は採油過程の加熱でほとんど破壊されるので,アマニ粕中の含量は低いといわれています.

また,アマの種子に含まれる青酸配糖体のうち最も多いのはlinustatinで,リナマリンの含量は低いという報告もあります(1).

いずれにしても,青酸配糖体の含量は品種や生息地の条件等によって大きく異なるようです.

アマの種子には,リナチン(linatine)という抗ピリドキシン作用のある物質も含まれていて,多量に摂取するとピリドキシン(ビタミンB6)欠乏になるといわれています(2).

検査法

植物中の青酸配糖体は,β-グルコシダーゼ処理して遊離する青酸を分析して定量します(衛生試験法注解・2005,p251〜)

中毒症状

青酸中毒の動物は,呼吸促迫,興奮,あえぎ,ふらつき歩行,痙攣,麻痺などを経て,重篤な場合は死亡します.急性の場合は突然死します.血液はオキシヘモグロビンによる鮮紅色を呈します(3).

 

文献

  1. Oomah, BD. et al. 1992. Cyanogenic compounds in flaxseed. J. Agric. Food Chem. 40:1346-1348.
  2. Klosterman, HJ. 1974. Vitamin B6 antagonist of natural origin. J. Aggric. Fodd. Chem. 22:13-16. 
  3. Cheeke, P.R. 1995. Endogenous toxins and mycotoxins in forage grasses and their effects on livestock. J.Anim.Sci. 73:909-918.

 

 

目次へ戻る

トップペイジへ戻る


最終更新日:2008.12.26 文献の追加およびlinustatin情報の追加.衛生試験法注解の引用を最新版(2005)に修正.

本ウェブサイトの情報を無断で転用することを禁じます

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 安全性研究チーム