学名:Leucothoe grayana Maxim.
ハナヒリノキはツツジ科のイワナンテン属の落葉低木で,近畿以北の本州から北海道に分布しています.和名の由来は,葉の粉末が花に入るとくしゃみが出るから,といわれています.変種に,ウスユキハナヒリノキ(L. grayana var. pruinosa),ウラジロハナヒリノキ(L. grayana var. hypoleuca)などがあります.葉の裏側が白い変種のウラジロハナヒリノキは,東北から中国地方の亜高山帯に分布しています.
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(ウスユキハナヒリノキ,栃木県,5月)
有毒成分
ハナヒリノキ,アセビ,レンゲツツジなどのツツジ科の植物は,ジテルペン構造を持つグラヤノトキシン(grayanotoxin) I 〜 III などの有毒物質を含んでいます(1).グラヤノトキシンの名は,これが最初に同定されたハナヒリノキの学名Leucothoe grayana に由来します.このうちグラヤノトキシンI はアンドロメドトキシン(andromedotoxin)ともよばれています.またレンゲツツジから抽出されたロードトキシン(rhodotoxin),アセビから抽出されたアセボトキシン(asebotoxin)もグラヤノトキシンI と同一物質です.アセビ,ホツツジ,レンゲツツジのペイジも御覧ください.
検査法
胃内容中のグラヤノトキシンを薄層クロマトグラフィーで検出する方法が報告されています.高感度な確定分析には,高速液体クロマトグラフ質量分析計が使われます(2).
中毒症状
1999年に新潟県で発生したヤギのハナヒリノキ中毒では,流涎,歯ぎしり,体温低下,元気消失等の症状を呈し,重症のものは死亡しました(3).ヤギへのハナヒリノキ給与試験では,自由採食させた急性例では嘔吐,体温低下,乾燥ハナヒリノキを少量ずつ給与した例では,嘔吐,食欲低下,不安,消化管運動の低下等が観察されています(4).
文献