ヒガンバナ

学名:Lycoris radiata Herb.

英名:spider lily

ヒガンバナはヒガンバナ科の多年草で,東北から沖縄にかけて広く分布しています.曼珠沙華とも呼ばれ,秋の彼岸頃に鮮やかな赤い花をつけます.地下の鱗茎から花茎が出て花をつけますが,花期には葉はつかず,花期が終わった後に根出葉が出て冬を越します.鱗茎は寸断されても再生能力が高く,耕作地の近辺に群生するのはこのためです.日本産のヒガンバナは3倍体で,種子は付きません.花の白いシロバナヒガンバナ(L. albiflora Koidz.)は,ヒガンバナとショウキョウズイセン(L. aurea)の交雑種といわれています.

ヒガンバナの鱗茎は多量のデンプンを含み食用となりますが,有毒物質を除くために,すりつぶした後に十分水洗する必要があります.

   

(左:ヒガンバナの花,右:花期の終わりに鱗茎から出てきた葉.いずれも青森県,9月)

 

(シロバナヒガンバナ,青森県,9月)

有毒成分

ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)の植物はリコリン(lycorine)などのノルベラジンアルカロイド(norbelladine alkaloid )を含んでいます.これらのアルカロイドのうちガランタミンなどは,セチルコリンエステラーゼ活性を阻害する作用を持っています(1).

中毒症状

家畜のヒガンバナ中毒の報告はありませんが,ヒトでは誤食による中毒が起きています.また,日本でもヒガンバナの鱗茎をさらして食用にしたようで,毒抜き不十分による中毒もあったようです.中毒症状は,スイセンの項を御覧ください.

文献 

 1. Lopez, S et al. (2002) Acetylcholinesterase inhibitory activity of some Amaryllidaceae alkaloids and Narcissus extracts. Life Science, 71: 2521-2529.

 

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最終更新日:2008.11.19 アルカロイドの説明を修正し,文献を追加

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