学名:Nicotiana tabacum L.
英名:tobacco
ナス科タバコ属の多年草ですが,栽培上は1年層として扱われています.タバコ属には多くの野生種,栽培種がありますが,本種が一般的な葉タバコ用の栽培種です.栽培用タバコの発生地は,ボリビアからアルゼンチンにかけてのアンデス山脈東側の地域と考えられています.わが国へは,先ず製品としてのタバコが1500年代後半に持ち込まれ,種子が入って栽培されはじめたのは慶長年間(1500年代後半から1600年代の初め)といわれています.本種以外に栽培されているタバコ属は,ニコチンを採るためのマルバタバコ(N. rustica L.),観賞用のオオタバコ(N. tomentosa Ruiz et Pav.),木本のキダチタバコ(N. glauca)などがあります.また,野生種のN. glutinosaはタバコモザイクウイルスの研究によく用いられます.
![]()
![]()
有毒成分
タバコには有毒なアルカロイドのニコチン(nicotine)およびアナバシン(anabasine)が含まれています(1).ニコチンはピリジン由来のニコチン酸にオルニチン由来のピロリジンが結合した構造をしています.ニコチンは,小用量では自律神経節のアセチルコリン受容体を興奮させ,大用量では,初期に興奮させた後に脱分極性に麻痺させる作用があります.また,神経筋接合部や中枢神経系にも強い興奮作用があります.
中毒症状
栽培されているタバコを牛などが採食して発生した中毒事例が報告されていいます(2).牛は乾燥したタバコを好んで食べるともいわれています.中毒症状としては,嘔吐,流涎,興奮,けいれん,歩行異常,呼吸困難,散瞳などが見られ,昏睡,麻痺から死に至ります.
文献